本日は口腔内写真の撮り方の設定編というテーマでお話していこうと思います。
以前YouTubeでこのような動画を作りました。
その動画の中で『設定編』のと『実践編』の解説をするとお話していたのですが、作成できていなかったので改めて作り直そうと思って今回記事を書いております。
今回の記事では口腔内写真を撮る上で重要な設定について解説していきます。
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口腔内写真は設定さえ適切なら誰でもきれいに撮れる
私が先生方にまず最初に知っていただきたいのは、
口腔内写真というのは正しい機材を使って、適切な設定を行えば誰が撮っても綺麗にそして規格化された写真を撮ることができる。
ということです。
逆に言えば再現性のない設定や方法論は口腔内写真においてはあまり意味がないものだと思っています。
ではそれについて解説していきましょう。
口腔内撮影で最重要なのは規格性
今回は設定についてのお話ですが、それについてお話しする前に、口腔内写真を撮る上で意識すべき重要なことをお伝えします。
それを知らないと、設定で目指すべきゴールが分からなくなります。
まず最も重要な要素が【規格性】です。
規格写真という言葉は聞いたことがある先生方も多いとは思うのですが、イメージしにくい方も多いと思います。
規格性を簡単に言い換えると『誰が・いつ 撮影しても 同じ結果が得られる状態のこと』です。
実例を示します
術前術後で同じ設定・同じ距離で撮ることによって、2枚の写真の時点で何が変わって何が変わってないかっていう事を容易に比較することができます。
変わっているものを見せたい、もしくは変わっていないことを見せたい時に、カメラの距離や傾き、そして明るさまでが変わっていると口腔内写真を見慣れていない患者さんは非常に比較しにくくなります。
写真の規格をそろえることによって術前術後の変化が一目瞭然です。
こういったところが口腔内写真において規格性が重要といわれる理由になります。
続いてはまた別のサンプルです。
今回は同じ患者さんではなく、全て別の患者さんでの写真なのですが、これらの写真は全て同じ機材を使って、同じ設定を使用して、同じ規格で写真を撮っています。
歯のサイズが大きい人は画面に占める歯の割合が大きくなりますし、小さい人はその逆に画面における歯の割合は小さくなります。
また歯茎の赤みが強い人や、そうでない人で色を客観的に判断することができます。
つまり規格化された写真を撮ることで、患者さんそれぞれの個性が分かります。
こういったところで規格性というのはすごく生きていきます。
そのため、せっかく口腔内写真を撮影していくのであれば、「歯が写っているだけの写真」ではなくて、「こだわって規格化された統一感のある写真」を残していっていただく方が、メリットが大きいと思います。
長くなりましたが、これが口腔内写真において規格性が重要な理由です。
ではこの規格性を守ることができるための設定についてここから解説していきます。
口腔内5枚法(9枚法)の設定
まずは口腔内写真5枚法に関して、設定が必要な項目をまとめてみました。
- カメラ設定
・カメラのモード
・f値
・シャッタースピード
・ISO感度
・ホワイトバランス - レンズの設定
・AF/ MF
・撮影倍率 - ストロボの設定
・TTL / Mモード
・光量
設項目がたくさんあるので、なかなか分かりにくいと思うのですが、ひとつひとつ解説していきます。
全部 真似をしていってもらえたら簡単かと思いますので、これを参考にしてみてください。
ちなみに私が口腔内写真5枚法に使用している機材は以下の物になります。
これから口腔内写真のカメラをそろえたい先生方はこういったものを参考にしていただけたらと思います。
カメラ設定
まずはカメラの設定から
まずカメラのモードというものを決めます。
カメラの設定する項目を決めるところです。
カメラのモードはどうやって決めるかというと、下の写真のようにM S A Pと書いてあるモードダイヤルというものが多くの場合あるので、そこのところを回して Mという文字のマニュアルモードにしていただけたらと思います。
撮影モード:マニュアルモード(Mモード)
この Mモードをしようすることで、
f 値・シャッタースピード・ISO感度というものを自分で設定することができます。
ではそれぞれの設定内容を見ていきましょう。
F値・シャッタースピード・ISO感度の設定内容
・F値 22
・シャッタースピード 1/200
・ISO 200 (状況によって変更します)
この設定をまず真似していただいて、必要があれば少しずつ変えていただくような感じがいいと思います。
カメラの説明書を見ながら設定の数値を合わせてください。
ホワイトバランス(WB)はKモードで5400K 指定
続いてホワイトバランスという項目の設定になります。
ホワイトバランスというのは写真の色味を決める設定になります。
以下の写真はZ50というカメラの背面液晶なのですが
i メニューというボタンを押すと、こういうメニューが出てくるので、
ここでホワイトバランスを選んで変更してください。
Kモードで 5400K を指定
ホワイトバランスを選ぶと最初は【Auto】になっていると思うのですが、それを横に行って【 K 】というケルビン指定のホワイトバランスというものに変えていただきます。
Kのところで下ボタンを押すと、さらにこのケルビンの数値を指定できます。
ここをクリニックのモニターで色が適切に写るように5000~5400の幅くらいで数値を変えていただくといいのではないかなと思います。
ストロボやカメラ・レンズ、そして表示するモニターによって少しずつ色味が違うのでご自身で撮った写真を見ていただいて、忠実だと思う色になる数値に合わせて頂くのが良いかと思います。
だいたい5400を中心に±200ぐらい5200~5600ぐらいで合わせていけば問題ないかなと思うので、ここのところは撮影してみて、仕上がりを見ながらホワイトバランスの数値を合わせてみてください。
ここまで出来たらカメラの設定は OK です。
レンズ設定
続いてレンズの設定に行きます。
レンズの設定というのは基本的にやることはそこまでありません。
するべきことは主にピント合わせです。
ピントをどうやって合わすかというところなのですが、ピントの合わせ方というのは大きく分けると2種類あります。
オートフォーカス(AF)
カメラが自動で合わせてくれるモード
マニュアルフォーカス(MF)
ピントを自分の手で合わせていく方法
MFで撮影しよう
難易度が低いのはオートフォーカスというカメラまかせのモードだと思うのですが、
規格性を重視するのであればマニュアルフォーカスで写真を撮ることをお勧めしています。
※ここからはもうマニュアルフォーカスで取ることを前提とした設定に行きます。
撮影倍率を1:3に合わせる
マニュアルフォーカス(MF)で撮る場合に重要なのは、撮影倍率という項目です。
常に同じ位置でピントが合うように固定して撮っていくことが求められます。
今回使用しているカメラの場合、1:3という倍率になるような位置でレンズのフォーカス位置を合わせて撮影します。
下の写真を参考にしてみて下さい。
オレンジの3という数値にダイヤルが合う様にピントリングを回します^^
こうすることによってカメラのピントは固定されて、一定の距離でしかピントが合わなくなります。
そのためカメラが自動的にピントを合わせるのではなく、
自分が患者さんの歯に対してカメラの距離を前後させることによってピントを合わせて写真を撮っていきます。
これにより全ての写真において被写体である歯のサイズ感を規格化できます。
ストロボ設定
最後はストロボですが、ストロボの設定に関しては基本的に簡単です。
方法① TTLモードを使用する
今回紹介しているKF-150というストロボに関してはTTLっていうモード搭載していますので、これを使っていただくので良いのではないかなと思います。
TTLというのは簡単にいうとストロボのオートモードです。
カメラが設定が決まっていたら、ストロボがオートで発光する光の量を決めてくれて、適切な明かるさで撮ることができます。
方法②こだわる場合はMモードを使用
ただ、TTLも写真の明るさがばらつくことも多いので、もっと規格化した写真を撮ろうっていう風に思うとTTLではなくてストロボのMモードを使用したほうが良いかなと思います。
Mモードというのは撮影者自身でストロボの発光量を決めるモードになります。
カメラだけではなくストロボまで全部設定するとなると、かなり複雑そうに思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
さっきのカメラとレンズの設定をしてもらえれば、多くのストロボをMモードの1/16という発光量にしておけばそれで十分ですし、撮影した明るさを見ながらその強さを調整すれば良いだけなので、そこまで手間でまでもないです。
また一度設定を合わせてしまったら、ほとんど設定の変更は必要ないので最初だけ頑張ってみてください。
TTLを使用する際、中級機以上だと問題ないのですが、Z50やD3500とかD3400といったカメラっでは明るさのバラつきが生じやすいのでMモードの方をお勧めします。
これでカメラ・レンズ・ストロボの設定が終わりました。
これでようやく撮影できます^^
口腔内写真用カメラを希望の先生はこちらをご利用ください▼
実践編は後半で
口腔内写真は設定が重要なので、ここまで理解していただけたらほとんど8割はうまくいったようなものです。
あとは少しだけポイントを押さえればOK
撮り方#2 前歯部の設定はこちら
撮り方#3 6枚法(9枚法)の撮り方実践編はこちら
